SSブログ

転職と採用 [生活]

2009年5月20日

相変わらず、アメリカ企業で良くあるように、人が辞めていく.

辞める1ヶ月前に会社に連絡する、という日本に良く聞くルールは無いようで、速い人でその日に、遅くとも告知3週間程度で去っていく.

会社を変えることによって、様々なキャリアを積んで、ポストが上がって、給与も増える仕組み.

辞める人がいると言うことは、空いた穴を埋めるために代わりの人を採用しないといけない.辞めるのはすぐだが、採用にかける時間は長くて慎重だ.

IMG_6274.jpg

求人を出すと、このご時世、一つのポストに対して数百人の募集がある.

この初期段階でのスクリーニングには人事が関与する.10名程度に絞り込み、次は面接.

この面接以降は、すでに人事に用はない.より現場に近い人間が対応する.

募集はほとんどが研究員であるが、簡単にこれまでの仕事の紹介をして、質疑応答.

ここでの質疑応答は、発表に関連するものはもちろんであるが、それ以外でも、ここでの仕事に必要な知識や応用力も問われる.

例えば化学系であれば、

「この原料からどうやってこの最終化合物を合成するか?」

生物系であれば、

「この阻害剤の作用機序を、細胞を使ってどう証明するか?」

など、即戦力が問われる.

その後全社員との、と言っても15人程度であるが、個々との面接が待っている.これをランチを取りながらこなしていく.

そして、意外にこの全員個別面接による評価のウエイトが高いらしい.実際に一緒に仕事をする人たちが、どう感じるか.

ここでは人間性や親しみやすさが大切だ.加えて、研究に対する興味と熱意.

これまでそのような仕事をしてきて、今何ができるのか、という点はよほど専門性が高くないと軽く流される.

採用が決まったら、一日も速く来てほしいものだが、そこは人の動きが激しいアメリカ.候補者も入社希望先を掛け持ちしている場合も多く、他社の結果待ちなどがあり、なかなか思うように行かないのも現状.

初期スクリーニングからここまで、2−3ヶ月はかかる.

辞める人が出るたびにこれを繰り返していたら、本当に大変だ.




nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:地域

nice! 1

コメント 4

S

とても興味深い話題でした。
日本では「紹介」が幅を利かせていると思いますが。。。「コネ」とも言うのかな、英語では「ネットワーク」と言うのだと誰かに教わりました。
僕の業界では、その人が何ができるか、というより、その人はどれだけ我慢強いか、という方が重要だと思っています。「紹介してくれた人への義理」、これに勝る「我慢の源」はありません。
アメリカでは「自分のための努力が皆の利益につながる」という認識があるのかな、と。
日本では「どれだけ組織のために尽くせるか」が美徳とされるかな、と。
科学にとってどちらの価値観が大切なのか、僕的にはちょっと興味深いです。
by S (2009-05-26 18:39) 

劇団1.5人前

アメリカでは転職者の採用はこんなやり方なんですね。
実際働いている人と面談ってのはよいですね。
お互いどんな人物が働いているか、
入社を希望している人がどんな人なのかを
事前にわかるのはすごく良いことだと思います。


by 劇団1.5人前 (2009-06-01 15:21) 

nozawa

Sさん、
コメントありがとうございます.
一昔前までの自然科学の分野では、一人で化合物の合成から細胞を使った評価、さらには動物実験までこなしてしまう人がいたそうです.
最近では実験技術が細分化され、一つの論文を仕上げるにしても、とても一人でこなせるものではありません.
と考えると、計算されたチームワークが大切だと、私は思います.
by nozawa (2009-06-03 11:52) 

nozawa

劇団1.5人前さん、
nice!とコメントありがとうございます.
今回はウチのやり方だけを紹介しましたが、複数の外の企業や大学などでも類似した形だと聞いています.
日本では人事や部門長レベルの力が強いですよね.個人的な嗜好ももしばしば、、、.
by nozawa (2009-06-03 11:58) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

新型インフルエンザField trip ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。